全国審査員メッセージ

竹部 美樹さん

高校生・中学生以下の部 竹部 美樹さん

NPO法人エル・コミュニティ 代表
「鯖江市地域活性化プランコンテスト」や
プログラミングスクールなどを主催。


――これまで、竹部さんが取り組まれてきた地方創生や地方活性化の活動を教えて下さい。

鯖江市で、「鯖江市地域活性化プランコンテスト」という人材育成の取組をしています。全国の学生を集めて、大学生が市長になったつもりで鯖江の活性化を考えよう、というコンテストです。2008年に始めて、今年で12年目になります。

大学生を中心に、全国から面白くて優秀な学生が来てくれます。最初はコンテスト自体が面白そうだなということで、鯖江にはあまり関係なく、地方にもそんなに興味がない学生が多かったのですが、最近では傾向が変わってきていて、地方を良くしたいとか、地域活性化を勉強していて実践をしたいという学生が来ます。受け身の学生より、自分が変えるぞという意気込みの学生が来てほしいので、そういう(受け身の)学生さんは選考で落ちちゃいますね。

――竹部さんが大学生の時に上京されて、それからご地元の鯖江で活動しようと思われたきっかけは何ですか?

13年くらい前、帰省した時に商店街を歩いていたら、シャッターが閉まっているお店がすごく多くて、むちゃくちゃ寂しくなったんです。私にとって商店街は遊び場だったんです。その遊び場だった商店街が、シャッターが下りて人通りがすごく少なくなっていて、その時に「やばい、私の地元の鯖江が廃れているんじゃないか」って実感して、「何かやんなきゃ」と思ったのが最初のきっかけですね。

やっぱり、若者が地域に入っていかないとダメだと思っています。例えば、お祭りの手伝いでも年配の方がすごく大変そうに「疲れた、疲れた」って話されるんですね。それは、若い人たちがそこに参画しなくなってきているからだと思います。皆さん、地域のお祭りをすごく大切にされていて、「自分たちの代で終わらせるわけにはいかない」と思っているのに、そこに若者がいないのは問題の1つだなと。私がこのコンテストで一番やりたいのは、地元の学生を育成することです。地域の担い手を作っていかないと地域の未来はないと思っているので、それをやるために鯖江に帰りました。

――これまでの「鯖江市地域活性化プランコンテスト」で面白かったアイデアには、どのようなものがありますか?

鯖江は眼鏡が有名なので、眼鏡をもっと世界中の人に知ってもらいましょう、鯖江の人たちにもっと鯖江のめがねに愛を持ってもらいましょう、ということで、ギネス世界記録に挑戦しました。どんなギネス世界記録かというと、眼鏡を2万本以上世界中から集めてチェーンのように眼鏡をつなぐ企画です。2011年にやったので、2011メートルつなげて、ギネス記録を作りました。

他に面白かったのは、実現はしなかったのですが、また眼鏡ネタで(笑)、宇宙シェア100%というものです。鯖江は眼鏡フレームのシェアが全国で9割、世界だと2割くらいなんですが、宇宙飛行士がかける眼鏡を全て鯖江産にしたら、宇宙シェア100%になると。宇宙飛行士が宇宙マスクを被っているとき、眼鏡がずれると直せなくて大変なので、かけ心地はもちろん、眼鏡がずれないようにしないといけない。それは鯖江の技術をもってしたらできる。そういうアイデアは、なかなか考えつかないじゃないですか、宇宙ってワクワクしますよね。ただ、業界の方が「やる」となっていかないと難しいです。学生が実際にNASAなどに電話をかけて、どのメーカーの眼鏡を使っているかを調べてくれたんですが、そこにどう入り込んでいくかは、学生や私たちでは難しいですね。

――過去、竹部さんには「RESASアプリコンテスト」の審査員もお務めいただきましたが、面白かったアイデアはありましたか?

宮崎の都城高専の学生たちの作品で、宮崎の各市町村に関するクイズを作って、それに答えていくと地図が埋まっていくアプリです。アプリ自体も面白かったのですが、自分たちが宮崎の都城に住んでいて、でもある時宮崎のことを聞かれて答えられなかった、これはだめだ、じゃあどうすれば自分たちで宮崎のことを学べるか、と考えたときにゲーム形式、クイズ形式ならいいんじゃないかと。そうやって自分事として考えるのがいいですね。

――話は変わりますが、RESASって使いますか?

人口統計を使っています。鯖江市は福井県で唯一人口が増えているのですが、その鯖江市の人口増加率を調べるのに人口メッシュを使いました。

――鯖江市は人口が増え続けているのは、なぜだと思いますか?

やっぱり、面白いことをやっているのがあるかなと。若者も何かやりたいと思っている子たちはワクワクする街に住みたいですよね。それは都会に限らないと思います。

移住者の特徴は、変な人ということです(笑)。でもそんな変な人を受け入れられる文化が鯖江にはあるんです。私も変な人ですからね(笑)。

――最後に、政策アイデアコンテストへの応募を考えている中高生へのメッセージをお願いします。

とにかく、どうやったら自分たちの街が楽しいか、ワクワクするかを第一に考えて、アイデアを出して欲しいと思っています。自分がワクワクしないと周りも巻き込めないので、そういう楽しい、面白いアイデアを期待しています!