受賞者インタビュー
過去受賞者に、本コンテストへ応募したきっかけや受賞後の活動についてお話を伺いました。
今年度応募を考えていらっしゃる方は是非ご参考にしてください。
今年度応募を考えていらっしゃる方は是非ご参考にしてください。
地方創生☆政策アイデアコンテスト2021 ファイナリスト、
四国経済産業局長賞・「フロッグ賞」受賞!
愛媛が直面している
「少子高齢化」「真珠生産量の低下」「ブライダル業の衰退」
の問題を解決したい。
『RESAS×真珠×結婚式=?』をテーマに掲げ、
宇和島産の真珠を使ったパールパウダー入りお菓子
「YUMEHIME~真珠に込めた想い~」を提案した
松山東高等学校 谷村ファミリーと、
商品開発に関わった方々に、
プロジェクトの振り返りと今後の展望について伺いました。
地方創生☆政策アイデアコンテスト2021のファイナリストで、「フロッグ賞」を受賞された、愛媛県立松山東高等学校/谷村ファミリー(谷村 琉凪さん、尾崎 脩さん、赤松 瑞夏さん)と、アイデアを商品化した株式会社一六(以下、一六本舗様)の玉置 剛社長と吉良翔太さん、真珠をはじめとした地域資源のPRや真珠養殖業を担当している宇和島市役所の中川 未来さんと田頭 亮臣さん、そして経済産業省四国経済産業局の多田 佳未さんにインタビューしました。
はじまりは、高校生の「地元を活性化させたい」との願いから。彼らの想いがアイデアとなり、次々とチャンスをつかみ、ついには誰も真似できないような素晴らしい商品の誕生につながりました。プロジェクトに関わった人々の思い出が詰まった感動ストーリーに迫ります。
谷村「地方創生に関する授業の一環で、RESAS(リーサス)を学ぶ機会がありました。その時にコンテストがあることを知り、自分たちで地方創生に取り組める機会になるかもしれないと思い応募しました。」
——なぜ、RESAS×真珠×結婚式をテーマに選んだのでしょうか?
谷村「調査をする中で、愛媛県が抱えている課題を知り、結婚式と真珠のコラボレーションで婚姻率の上昇に貢献することと、真珠をもっと身近に感じてもらうことが解決につながると考えたからです。真珠婚という習慣のアピールや、パールパウダーを使った引き出物の普及などを、具体策として考えました。」
——さまざまなアイデアから、最終的にパールパウダーを使ったお菓子にしたのはなぜですか?
尾崎「エステや真珠体験にすると、対象となる方が限られてしまいます。けれども、お菓子であれば年齢や性別を問わず多くの人にアプローチできると思ったからです。
また、ご高齢の方が持つイメージが強い真珠をお菓子とコラボさせることで、若者に真珠への親近感を高めることも狙いました。」
——初めて一六本舗様にコンタクトを取った時の心境を覚えていらっしゃいますか?
赤松「最初は、私と谷村の2人で会社に電話をかけました。高校生がいきなり商品開発を持ちかけるというのは、常識外れだと思われるかもしれないとドキドキしましたが、窓口の方がいろいろな方に伝えてくださいました。その時、社長とお話することはできませんでしたが、その後一六本舗様とメールでやり取りが始まり、そこから社長が会ってくださるということで、準備をして会いに行きました。」
——一六本舗玉置社長に伺います。初めて谷村ファミリーに会った時、どのような印象を受けましたか?
玉置「事前にRESASを使ったコンテストのお話を伺っていましたが、面会の時すでに弊社の商品を使って試作品を持ってこられたのを知り、並々ならぬ熱意を感じました。私には高校生時代にこれほど熱意を持って取り組んだ経験がなく、谷村ファミリーの説明を聞きながらすごいなと感心したのと同時に、一緒に取り組んだらいいものができるのではないかという思いが決め手となり快諾しました。」
——一六本舗様からご協力をいただけると分かった時、どのような気持ちになりましたか?
尾崎「私達のアイデアを形にし、真珠の魅力をお菓子にして広く発信できるのは 一六本舗様しかいないと確信していました。その一六本舗様から承諾をいただいた時の感激は、今でも忘れられません。」
——商品開発にあたり、一六本舗様と谷村ファミリーの皆さんは、真珠養殖業が盛んな宇和島市を訪問されたそうですが、その時の谷村ファミリーの皆さんはどのような様子でしたか?
吉良「私がアテンドとして谷村ファミリーに同行しました。宇和島市の土居真珠様や市役所の皆様を前にすごく堂々とプレゼンをされているのを見て、肝がすわってるなと率直に思いました。」
田頭「お話をいただいた時は、ちょうどアコヤ貝の大量へい死という問題に直面しておりました。その真珠にスポットを当ててくださり、ありがたく感じたのと同時に、既存の使い方とは大きく異なる真珠のお菓子の商品開発という、大人でも難しいことに取り組まれていることに感心しました。実は私は谷村ファミリーと同じ高校の出身なんです。意見交換をしながら後輩たちの熱意と頑張りを知り、先進事例を作ってほしいと思いました。」
——その後どのように商品開発を進めていったのでしょうか?
玉置「本格的にスタートしたのは2022年の3月からです。パールは白(ホワイト)なので、来年のホワイトデーの発売を目指しました。
弊社は全国の老舗菓子メーカーが名を連ねる団体に所属しておりまして、同団体は、毎年3月に日本橋三越本店で全国銘菓展を開催しています。その年のテーマは、「虹」。宇和島の魅力を発信するのであれば弊社の店舗のみよりも、全国からお客さんが集まるデパートでの販売も検討した方がいいのではと考えました。さらに、「虹」なら宇和島の特産品をたくさん使えそうだと谷村ファミリーと話し合い、出展を前提にパールパウダーと宇和島の特産品を組み合わせたお菓子の開発を進めていきました。
開発中は弊社の吉良が宇和島を訪問したり、現地の関係者様から商品サンプルを送っていただいたりといったやり取りがありました。谷村ファミリーとは学業の合間を縫ってミーティングを重ねて色や味を確認し、意見を聞きながら改良するといった作業の繰り返しでしたね。商品のネーミングとデザインは、ほぼ谷村ファミリーのアイデアです。こうしたプロセスを経て、ようやく『いい商品』と思えるものが完成しました。」
——開発で最も苦労したのは何でしたか?
玉置「味を決めるというプロセスですね。7色のレインボーカラーという縛りの中で、どのような味を作り出していくかが大変でした。例えば、鯛味のお菓子はかなり変わり種ですが、だからといって変なものを出すわけにはいきません。魚の臭みを抑えつつ納得のいく味のお菓子に仕上げる作業は、けっこう苦労しましたね。」
尾崎「お菓子のコンセプトや、具体的にどのようなものを作るかを決めるのが大変でした。それぞれがプロジェクトに対して熱い想いを持っていた私達は、意見を衝突させることもありました。けれども時間をかけて何度も話し合い、また多くの方のご協力のおかげで全員が納得のいくお菓子に仕上げることができたと思います。」
赤松「自分たちが1年以上かけて考えてきたお菓子が、実際に並んで売られているのを見て感動し、これまでご協力いただいた方々への感謝の思いがこみ上げてきたのを覚えています。」
吉良「弊社の店舗で販売する際、谷村ファミリーと共に店頭に立ちました。反響の大きさに驚いたというのと、お客様を前にきちんと自分の意見を伝えている谷村ファミリーを見て、あらためてすごいなと思いました。」
——予想以上に好評だったと伺いました。
玉置「用意した500箱は、販売初日で品切れする勢いでした。これは追加製造をしないとホワイトデーまで持たないということになり、最終的に1,000箱まで増産しました。
今回のような学生さんとの取り組みは、いわゆる企業のアピールのような感じが強く、売上は二の次になるケースも多いと思います。それでもしっかりと売上を残してインパクトを与えたいという気持ちをずっと持っていたので、お客様のニーズに応える商品を提供できたことが本当にうれしかったですね。」
——宇和島市側の反応はいかがでしたか?
中川「すぐ宇和島の店舗に買いに行ったのですが売り切れていまして、予想以上の反響に驚きました。再予約で手にしましたが、3人が描いたコンセプトがそのまま形になった商品というのが見て取れました。美味しい『ヤム/yum』と愛媛『ehime』を掛け合わせた造語『YUMEHIME』には、『夢』の意味も込められてるというのも素敵です。軽い口どけで食べやすく、コンセプト通り年齢問わずアプローチできる商品に仕上がっていると感動しました。」
尾崎「今回の商品開発にあたって、自発的に行動することの大切さや何事にも挑戦する勇気、社会人としての振る舞いを学びました。
私は大学で商学を専攻します。今回培った行動力を生かして、有意義な大学生活を送りたいです。そして、社会人となっても何事にもチャレンジすることを心がけようと思います。」
赤松「私は県外の大学に進学します。大学では海洋を取り巻く社会情勢や地域文化について深く学び、卒業後は愛媛県、そして日本の水産業を盛り上げることができる人材になりたいと考えています。今回の経験から得た地元に対する愛着を忘れず成長したいと思います。」
谷村「今回の商品開発では、多くの方々が初対面の高校生の話を真剣に聞き尊重してくださいました。これも、愛媛愛があったからではないかと思います。
私は愛媛県内に残り、医学の道に進みます。そして、私が皆様にしていただいたように、強い心で受け入れる側になれるよう学んでいきます。高校時代に取り組んだ地方創生で発見した愛媛の魅力や人とのつながりが、これから愛媛に貢献する時の糧になると思っています。」
——プロジェクトに関わった立場から、谷村ファミリーのみなさんに一言ずつお願いできますか?
玉置「プロジェクトが終わった後に、谷村ファミリーからお一人ずつ個別に手紙をいただきました。本当に感動的な内容で、社内で共有いたしました。従業員全員が取り組んで良かったと感じるようなプロジェクトで、我々一六本舗としても貴重な経験となりました。
これからいろんなことがあると思いますし、壁にぶつかることもあるでしょう。そんな時は今回の経験を思い出して踏ん張ってほしいです。いつでも弊社の工場に遊びに来て、いろいろと近況をお話しいただけたらうれしいなと思います。これからも頑張ってください。」
吉良「谷村ファミリーと1番よく接していたのではないかと思います。その中で芯の強さや、チャンスをどんどんものにして前進していく力強さを感じる場面がたくさんありました。この後進学されて、それぞれの道を歩んでいかれるなかで、本当に成長が楽しみです。未来に向かって、大きく羽ばたいていってほしいと思います。」
中川「市役所におけるプレゼンテーションでの谷村ファミリーの姿は堂々としていて、今でもはっきりと覚えています。開発の中で、パールパウダーは無味無臭でお菓子に使うメリットがあまりないのではというお話もあったそうですが、パールパウダーを使いたいという3人の強い想いがあったことを知り、真珠のPRを担当する者として感銘を受けました。これからも愛媛の魅力を発信するインフルエンサーとなっていただきたいなと思っています。」
田頭「プロジェクトには、商品開発の最後のところで携わらせていただきました。大変なことも多かったと思いますが、いい経験をされたのではないでしょうか。
今後どこかでこの経験が生きてくることがあると思います。今回のような経験は、後輩たちにもしてもらいたいですし、つないでいくことが大事だと思いました。」
多田「改めて、皆さまのお話をお伺いでき、感動しました。学業や部活動等でお忙しい中、アイデアコンテストに応募いただきありがとうございました。そして、一六本舗様にも感謝を申し上げます。
また、松山東高校の小野先生から、『宇和島市のご担当者と繋いでいただけませんか?』と問い合わせを受けたことがきっかけで、宇和島市の方々とのつながりが始まったのですが、私が突然ご連絡をしたにもかかわらず、中川様と田頭様をはじめ、職員の皆様が丁寧に対応してくださいました。本当にありがとうございました。」
今回お話を伺い、商品化を実現したいという谷村ファミリーの強い情熱と愛媛愛が伝わってきました。そして、谷村ファミリーの想いに共感し、手を差し伸べた一六本舗様や宇和島市役所様、そしてプロジェクトを見守り続けた四国経済産業局の方々には、心より感謝申し上げます。皆様のお力添えがなければ、「YUMEHIME」という素晴らしい商品を目にすることはなかったでしょう。谷村ファミリーのこれからの活躍に期待すると共に、谷村ファミリーのようにアイデアを実現させる実例が、本コンテストで増えていけばいいなと願ってやみません。
はじまりは、高校生の「地元を活性化させたい」との願いから。彼らの想いがアイデアとなり、次々とチャンスをつかみ、ついには誰も真似できないような素晴らしい商品の誕生につながりました。プロジェクトに関わった人々の思い出が詰まった感動ストーリーに迫ります。
今回のインタビューにご協力いただいた皆様
地方創生☆政策アイデアコンテスト2021に応募したきっかけ
谷村ファミリーに、同コンテストに応募したきっかけを伺いました。谷村「地方創生に関する授業の一環で、RESAS(リーサス)を学ぶ機会がありました。その時にコンテストがあることを知り、自分たちで地方創生に取り組める機会になるかもしれないと思い応募しました。」
——なぜ、RESAS×真珠×結婚式をテーマに選んだのでしょうか?
谷村「調査をする中で、愛媛県が抱えている課題を知り、結婚式と真珠のコラボレーションで婚姻率の上昇に貢献することと、真珠をもっと身近に感じてもらうことが解決につながると考えたからです。真珠婚という習慣のアピールや、パールパウダーを使った引き出物の普及などを、具体策として考えました。」
谷村ファミリー(写真左から赤松さん、谷村さん、尾崎さん)
尾崎「エステや真珠体験にすると、対象となる方が限られてしまいます。けれども、お菓子であれば年齢や性別を問わず多くの人にアプローチできると思ったからです。
また、ご高齢の方が持つイメージが強い真珠をお菓子とコラボさせることで、若者に真珠への親近感を高めることも狙いました。」
谷村ファミリープレゼン資料より抜粋
https://contest.resas-portal.go.jp/2021/asset/files/works/student09.pdf
パールパウダー入りお菓子「YUMEHIME~真珠に込めた想い~」開発までの軌跡
谷村さんたちは、県内の老舗和菓子メーカーである一六本舗様にお菓子の商品化をお願いすることを決めました。——初めて一六本舗様にコンタクトを取った時の心境を覚えていらっしゃいますか?
赤松「最初は、私と谷村の2人で会社に電話をかけました。高校生がいきなり商品開発を持ちかけるというのは、常識外れだと思われるかもしれないとドキドキしましたが、窓口の方がいろいろな方に伝えてくださいました。その時、社長とお話することはできませんでしたが、その後一六本舗様とメールでやり取りが始まり、そこから社長が会ってくださるということで、準備をして会いに行きました。」
——一六本舗玉置社長に伺います。初めて谷村ファミリーに会った時、どのような印象を受けましたか?
玉置「事前にRESASを使ったコンテストのお話を伺っていましたが、面会の時すでに弊社の商品を使って試作品を持ってこられたのを知り、並々ならぬ熱意を感じました。私には高校生時代にこれほど熱意を持って取り組んだ経験がなく、谷村ファミリーの説明を聞きながらすごいなと感心したのと同時に、一緒に取り組んだらいいものができるのではないかという思いが決め手となり快諾しました。」
一六本舗様と谷村ファミリーの面談の様子
尾崎「私達のアイデアを形にし、真珠の魅力をお菓子にして広く発信できるのは 一六本舗様しかいないと確信していました。その一六本舗様から承諾をいただいた時の感激は、今でも忘れられません。」
——商品開発にあたり、一六本舗様と谷村ファミリーの皆さんは、真珠養殖業が盛んな宇和島市を訪問されたそうですが、その時の谷村ファミリーの皆さんはどのような様子でしたか?
吉良「私がアテンドとして谷村ファミリーに同行しました。宇和島市の土居真珠様や市役所の皆様を前にすごく堂々とプレゼンをされているのを見て、肝がすわってるなと率直に思いました。」
田頭「お話をいただいた時は、ちょうどアコヤ貝の大量へい死という問題に直面しておりました。その真珠にスポットを当ててくださり、ありがたく感じたのと同時に、既存の使い方とは大きく異なる真珠のお菓子の商品開発という、大人でも難しいことに取り組まれていることに感心しました。実は私は谷村ファミリーと同じ高校の出身なんです。意見交換をしながら後輩たちの熱意と頑張りを知り、先進事例を作ってほしいと思いました。」
宇和島市を訪問した谷村ファミリー(赤松さんと谷村さん)と、有限会社土居真珠の土居社長
玉置「本格的にスタートしたのは2022年の3月からです。パールは白(ホワイト)なので、来年のホワイトデーの発売を目指しました。
弊社は全国の老舗菓子メーカーが名を連ねる団体に所属しておりまして、同団体は、毎年3月に日本橋三越本店で全国銘菓展を開催しています。その年のテーマは、「虹」。宇和島の魅力を発信するのであれば弊社の店舗のみよりも、全国からお客さんが集まるデパートでの販売も検討した方がいいのではと考えました。さらに、「虹」なら宇和島の特産品をたくさん使えそうだと谷村ファミリーと話し合い、出展を前提にパールパウダーと宇和島の特産品を組み合わせたお菓子の開発を進めていきました。
開発中は弊社の吉良が宇和島を訪問したり、現地の関係者様から商品サンプルを送っていただいたりといったやり取りがありました。谷村ファミリーとは学業の合間を縫ってミーティングを重ねて色や味を確認し、意見を聞きながら改良するといった作業の繰り返しでしたね。商品のネーミングとデザインは、ほぼ谷村ファミリーのアイデアです。こうしたプロセスを経て、ようやく『いい商品』と思えるものが完成しました。」
——開発で最も苦労したのは何でしたか?
玉置「味を決めるというプロセスですね。7色のレインボーカラーという縛りの中で、どのような味を作り出していくかが大変でした。例えば、鯛味のお菓子はかなり変わり種ですが、だからといって変なものを出すわけにはいきません。魚の臭みを抑えつつ納得のいく味のお菓子に仕上げる作業は、けっこう苦労しましたね。」
尾崎「お菓子のコンセプトや、具体的にどのようなものを作るかを決めるのが大変でした。それぞれがプロジェクトに対して熱い想いを持っていた私達は、意見を衝突させることもありました。けれども時間をかけて何度も話し合い、また多くの方のご協力のおかげで全員が納得のいくお菓子に仕上げることができたと思います。」
谷村ファミリーによる試食の様子
商品完成! いよいよ販売へ
——完成した商品を私どもも拝見しました。シンプルな白い箱の中に、7色のメレンゲのお菓子が並んでいて、すごく素敵なデザインだったことを今でも覚えています。自分たちが開発したお菓子が店頭に並び、それを購入していく人たちを見て、どのような気持ちになりましたか?赤松「自分たちが1年以上かけて考えてきたお菓子が、実際に並んで売られているのを見て感動し、これまでご協力いただいた方々への感謝の思いがこみ上げてきたのを覚えています。」
吉良「弊社の店舗で販売する際、谷村ファミリーと共に店頭に立ちました。反響の大きさに驚いたというのと、お客様を前にきちんと自分の意見を伝えている谷村ファミリーを見て、あらためてすごいなと思いました。」
一六本舗様の店舗にて「YUMEHIME」を販売する谷村ファミリー
玉置「用意した500箱は、販売初日で品切れする勢いでした。これは追加製造をしないとホワイトデーまで持たないということになり、最終的に1,000箱まで増産しました。
今回のような学生さんとの取り組みは、いわゆる企業のアピールのような感じが強く、売上は二の次になるケースも多いと思います。それでもしっかりと売上を残してインパクトを与えたいという気持ちをずっと持っていたので、お客様のニーズに応える商品を提供できたことが本当にうれしかったですね。」
日本橋三越本店で店頭に立つ谷村ファミリー
中川「すぐ宇和島の店舗に買いに行ったのですが売り切れていまして、予想以上の反響に驚きました。再予約で手にしましたが、3人が描いたコンセプトがそのまま形になった商品というのが見て取れました。美味しい『ヤム/yum』と愛媛『ehime』を掛け合わせた造語『YUMEHIME』には、『夢』の意味も込められてるというのも素敵です。軽い口どけで食べやすく、コンセプト通り年齢問わずアプローチできる商品に仕上がっていると感動しました。」
プロジェクト通じての感想や今後の意気込み
——今回の経験を今後どのように生かしていきたいと思いますか?尾崎「今回の商品開発にあたって、自発的に行動することの大切さや何事にも挑戦する勇気、社会人としての振る舞いを学びました。
私は大学で商学を専攻します。今回培った行動力を生かして、有意義な大学生活を送りたいです。そして、社会人となっても何事にもチャレンジすることを心がけようと思います。」
赤松「私は県外の大学に進学します。大学では海洋を取り巻く社会情勢や地域文化について深く学び、卒業後は愛媛県、そして日本の水産業を盛り上げることができる人材になりたいと考えています。今回の経験から得た地元に対する愛着を忘れず成長したいと思います。」
谷村「今回の商品開発では、多くの方々が初対面の高校生の話を真剣に聞き尊重してくださいました。これも、愛媛愛があったからではないかと思います。
私は愛媛県内に残り、医学の道に進みます。そして、私が皆様にしていただいたように、強い心で受け入れる側になれるよう学んでいきます。高校時代に取り組んだ地方創生で発見した愛媛の魅力や人とのつながりが、これから愛媛に貢献する時の糧になると思っています。」
——プロジェクトに関わった立場から、谷村ファミリーのみなさんに一言ずつお願いできますか?
玉置「プロジェクトが終わった後に、谷村ファミリーからお一人ずつ個別に手紙をいただきました。本当に感動的な内容で、社内で共有いたしました。従業員全員が取り組んで良かったと感じるようなプロジェクトで、我々一六本舗としても貴重な経験となりました。
これからいろんなことがあると思いますし、壁にぶつかることもあるでしょう。そんな時は今回の経験を思い出して踏ん張ってほしいです。いつでも弊社の工場に遊びに来て、いろいろと近況をお話しいただけたらうれしいなと思います。これからも頑張ってください。」
吉良「谷村ファミリーと1番よく接していたのではないかと思います。その中で芯の強さや、チャンスをどんどんものにして前進していく力強さを感じる場面がたくさんありました。この後進学されて、それぞれの道を歩んでいかれるなかで、本当に成長が楽しみです。未来に向かって、大きく羽ばたいていってほしいと思います。」
中川「市役所におけるプレゼンテーションでの谷村ファミリーの姿は堂々としていて、今でもはっきりと覚えています。開発の中で、パールパウダーは無味無臭でお菓子に使うメリットがあまりないのではというお話もあったそうですが、パールパウダーを使いたいという3人の強い想いがあったことを知り、真珠のPRを担当する者として感銘を受けました。これからも愛媛の魅力を発信するインフルエンサーとなっていただきたいなと思っています。」
田頭「プロジェクトには、商品開発の最後のところで携わらせていただきました。大変なことも多かったと思いますが、いい経験をされたのではないでしょうか。
今後どこかでこの経験が生きてくることがあると思います。今回のような経験は、後輩たちにもしてもらいたいですし、つないでいくことが大事だと思いました。」
多田「改めて、皆さまのお話をお伺いでき、感動しました。学業や部活動等でお忙しい中、アイデアコンテストに応募いただきありがとうございました。そして、一六本舗様にも感謝を申し上げます。
また、松山東高校の小野先生から、『宇和島市のご担当者と繋いでいただけませんか?』と問い合わせを受けたことがきっかけで、宇和島市の方々とのつながりが始まったのですが、私が突然ご連絡をしたにもかかわらず、中川様と田頭様をはじめ、職員の皆様が丁寧に対応してくださいました。本当にありがとうございました。」
今回お話を伺い、商品化を実現したいという谷村ファミリーの強い情熱と愛媛愛が伝わってきました。そして、谷村ファミリーの想いに共感し、手を差し伸べた一六本舗様や宇和島市役所様、そしてプロジェクトを見守り続けた四国経済産業局の方々には、心より感謝申し上げます。皆様のお力添えがなければ、「YUMEHIME」という素晴らしい商品を目にすることはなかったでしょう。谷村ファミリーのこれからの活躍に期待すると共に、谷村ファミリーのようにアイデアを実現させる実例が、本コンテストで増えていけばいいなと願ってやみません。
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( 受託事業者/東武トップツアーズ株式会社)
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