受賞者インタビュー

過去受賞者に、本コンテストへ応募したきっかけや受賞後の活動についてお話を伺いました。
今年度応募を考えていらっしゃる方は是非ご参考にしてください。

地方創生☆政策アイデアコンテスト2021
大学生以上一般の部 優秀賞

暮らすインターンで鳥取県と全国を繋ぐ!活動の始まりとアイデアコンテストへの想いを「ツナガルドボク」さんにインタビュー!

地方創生☆政策アイデアコンテストでは、地域経済分析システム(RESAS:リーサス)やV-RESASを使って地域の課題を分析し、地域の課題を解決する政策アイデアを募集しています。

2021年度の大学生以上一般の部で優秀賞を受賞された、暮らすインターンを実行するツナガルドボクさんにインタビューをさせて頂きました。
今回お話を伺ったのは、設立期からいらっしゃる田中哲哉さん、田中さんに誘われて活動を始めた岩崎聡さん、森星斗さんです。
彼らが活動を始めた理由や、アイデアコンテスト応募に当たり意識したこととは…!

活動のきっかけ

―――「ツナガルドボク」という活動は、なぜはじめられたのですか?

田中「2018 年に鳥取大学の学生があまり県内に就職していない実態を知り、県内の地方建設業界の魅力を少しでも知ってもらい、就職の候補地として鳥取県を考えてもらうことや、地方建設業界の魅力を学生に伝えてもらうために、大学院にいた先輩に誘われ参画しました。当時は、2~3人のメンバーで設立しましたが、今は15 人まで増えました。」

―――鳥取県内に就職するのが少ないというのはデータで知ったのですか?

田中「設立当初は知りませんでした。ただ、鳥取大学の県外からの入学者率は8割で県内は2割しかいないことが分かっています。そのような中、地方にも良い企業もあるのに、就職活動期になるとどうしても大手を選んでしまうという傾向がありました。両方知っている状態で就職先の選択ができれば良いと思いました。」

地方創生☆政策アイデアコンテスト2021応募のきっかけ

そんな彼らが、アイデアコンテストになぜ応募しようと思ったのか、応募から最終審査会までどのように過ごしたのか伺いました。

―――では次に地方創生☆政策アイデアコンテスト2021に応募したきっかけを教えてください。

岩崎「始まりはとあるメンバーが面白いコンペがあると見つけてきたことでした。これまでの活動の振り返りと今後の方向性の再確認をしたいと考え何人かのメンバーが集まりました。またこのコンペはデータを活用するものであり,これからは建設業界でもデータを活用していく事が大事になってくると思っていた自分たちにとってはぴったりでした。そして、当時構想段階にあった『暮らすインターン』という新たな取り組みへとつながると考えました。」

―――アイデアコンテストに応募することで何を達成しようと思われていましたか?

森「一つ目は、専門の方に今回の活動計画を評価してもらうことによって、企画をより良いものとすることです。外部からの視点を取り入れることによって、至らないところを改善し、より魅力的なものにしたいと思いました。二つ目は、提案するにあたって信頼のある実績にすることです。今回実施している『暮らすインターン』の最終目標は、将来的に県の政策の一部として土木分野、ひいては鳥取県を盛り上げることにあります。しかし、ただ『やりたい』と提案するだけでは信頼してもらえません。そのため、名のあるコンテストで受賞し、信頼ある実績を得たいと思いました。また、実施に際しては、企業の方や官公庁の方も巻き込んでいかなければいけません。その中で、内閣府主催のコンペでお墨付きをもらえれば、県の方にも動いてもらえるのではないかと思い参加しました。」

―――参加すると決めてから、どのように取り組まれてアイデアを練ったのですか?

田中「8月中旬から本格的に資料の作成を始めました。」

岩崎「最初は、資料の作り方も何もわからなかったので、2020年度・2019年度の受賞者の資料を読んで、どのようなことをアピールしているのか、どうしたら審査員の印象に残るかをまず調べました。」

田中「そこで学んで、わかりやすい資料になるように皆で考えながら取り組みました。また、デザインが得意な人やデータ分析が得意な人などメンバーの得意な部分を取り入れて作成するように工夫をしました。当時はコロナ禍で、オンラインでの活動を余儀なくされたため、Google スライドを活用し、複数人で共同編集できるようにしました。取り組み始めてからは、毎日のように皆で集まり、時には遅くまで取り組みました。」

―――過去の受賞作品を振り返るのは素晴らしい取り組みですね。

RESASやV-RESASの活用

―――アイデアコンテストではRESASやV-RESASを使いますが、これらはアイデアコンテストを通して知りましたか。

岩崎「自分はこのコンテストで初めて知り、使用しました。」

―――使ってみた感想はいかがでしたか。

森「自分たちでコードを書いて分析する必要がなく、非常に使いやすかったです。グラフも年の範囲指定など、加工することができ、視覚的にわかりやすくすることも可能でした。今後、暮らすインターンのプレ実施や一般実施を控えていますが、その効果検証でも使用したいと思います。」

―――どのようなデータが有効活用できましたか。

田中「産業別の割合がデータとしてわかりやすく、建設業について、感覚で考えていたところがデータで分かるようになりました。」
―――中には、データに触れることに苦手意識がある人や興味を持てない人もいると思いますが、アドバイスなどありますか?

田中「今は高校の授業で探求の学習もあるので、データに触れてみてほしいです。見せ方によって印象も変わるというのは大学の授業で学びましたが、こんなに変わるのかと驚きました。」

森「データは見せ方が違うことが面白いところです。それをどのように資料に組み込んで発表するかなど、みんなで話すのも楽しいと思います。また、特に高校生では、このような資料作成を自分たちですべてやり通すのは難しいと思います。そんな時は学校の先生など、大人に協力を求めると良いと思います。自分たちも時には大人の方にアドバイス頂きながら作り上げました。」

アイデアコンテスト受賞後「暮らすインターン」の実現

「暮らすインターン」の実施のため、信頼を獲得するため、様々な努力をした彼らが、優秀賞受賞後、どのような良い影響があったのか、伺いました。

森「当初の狙い通り、コンテストをきっかけに、ツナガルドボクに対する信頼やアイデアの実現可能性を第三者に評価してもらえたことで、暮らすインターンを実現することにつながりました。また、コンテスト後も内閣府の担当の方とつながることができ、アイデア実現に向けた取組やアイデア実現後の振り返りの方法などアドバイスを頂けたのでよかったです。」

―――アイデアコンテストを経て、どのような気づきがありましたか。

森「地方創生に関するアイデアや、方向性の多様さに驚きました。また、公共政策とはまた違う、ビジネスのような提案もあり、地域活性の在り方について考えさせられました。さらに、中高生などが地域について考えていることを知り、自分たちも負けていられないな、と、モチベーションの向上につながりました。」

今後の活動予定・意気込み

―――2022年の夏には「暮らすインターン」の実証も行うということですが、ツナガルドボクの今後の活動についてどのような展望をお持ちですか。

田中「暮らすインターンの展望としては、建設業や琴浦町はもちろん、他の産業や他の自治体でも実施してもらい、鳥取県で暮らす魅力が伝わり、鳥取県就職者数の増加につながればよいなと思っています。ツナガルドボクとしては、今後も地方の建設業の魅力を発信することで地方創生や地域連携、そして若者が挑戦出来る場づくりを行っていきたいです。

これから応募する方へのメッセージ

岩崎「何事もチャレンジしてみることが大切です。一歩踏み出してみてください。」

上田「時には徹夜して頑張ってください。一人だとつまずきやすいので、チームで取り組んでみてください。」

田中「コンテストは、スタート地点に過ぎません。地方創生という大きな課題に対する自分たちの取組の第一歩だと思い応募してアイデアを磨いてみてください。そうすることで新たな景色が見えるはずです。」

森「実現可能性を上げるというのが難しいのかと思います。面白いアイデアでも、実施するとなると金銭面や実施主体などが複雑、といった理由で、中々上手くいかない…となってしまうと思います。そのようなときは、関係先として想定している、色々な人に話を聞くと良いです。こういうことをやってみたいというマインドでアイデアを考えると実現可能性もあがると思います。」

―――この度は貴重なお時間を頂きありがとうございました。今後の「暮らすインターン」の事業化を、楽しみにしております。
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